第二十話 『人の振り見て我がふりしない!』

 

ここ1週間に相次いで似たようなことを耳にした。

どちらも傲慢で怠惰なことだし、そうならないように気をつけているつもりだ。しかしながら、もしかしたら人生のどこかで無意識にしてしまっていなのでアルバ、あらためるつもり綴ってみる。こういう大人はGOBではないし大人だからこそ気をつけたいこと。

一読あれ。




タクシー。

先日タクシーに乗ったときのこと。
タクシーに乗るときはいつも運転手さんとたわいのない話をする。話が盛り上がったときなどは、あえて遠回りしてもらうこともある。さてさて今回の運転手さんとコロナの話をしていたら「そういえばこないだですね~」と最近の出来事を話してくれた。運転手さんは毎日いろんな人を乗っけるし、次に乗る人にも何かあってはいけないと思い自腹で買ったマスクを用意しているのだという。ある女性のお客さんがマスクをしていなかったので、よかったらマスクどうぞと渡したら降りるときに「ありがとうございます。」と言いながら200円を置いていったそうだ。

むむ、なんて粋なことをしよる女性だ。やりおる。ちょっと心温まる話から一転、まだまだ続く。そうかと思いきや、マスクをしていない男性が乗ってきたとき同じようにマスクをすすめたら、帰ってきた言葉が「うるせえな!余計なお世話だ!」なんて言われてしまったんですよーと苦笑いしながら話をしてくれた。

自分に非があることを言われると怒り出す。そういう人って。。。あれれ、これってもしかしたら、小さいときに勉強をしろと言われて「今やろうと思っていたのに!」問題と一緒ではなかろうか。つまりはまだ大人になり切れていない証拠を自らアピールしていることなのだ。しかもイキって言っちゃってるとこがまた恥ずかしい。

もしかしたら大なり小なり、無意識に似たような行動してるかもしれない。書くことであらためて自分にも言い聞かせる。気をつけよう。




ゴルフ場。

こちらも先日のゴルフ場のレストランでの出来事。

ハーフを終えてランチメニューを選び、同伴者が冬限定「牡蠣とエビフライ定食」を頼む。ウェイトレスさんが「牡蠣のエビフライ定食ですね~」とオーダーを繰り返す。「牡蠣のエビフライ?」”の”と”と”が違うだけで、なんだか不思議な食べ物になってしまった。そのことに気づき、全員で和やかに大笑い。ウェイトレスさんも自らツボにハマったようで、笑いから始まるランチタイム。

ここから一転、話はまだ続く。こんな楽しい場所なのにこういった些細なことにすごい剣幕で怒り出すお客さんも結構いるようで、我らは完全にこのウェイトレスさんの味方。「そんなジジイ、無視無視!」とかいろんな慰め言葉を掛けてたら「これからそんなことがあっても気にしないでいられそう。ありがと~」と言ってくれた。きっと嫌な客が続いて凹んでいたのだろう。ランチを終え帰り際、そのウェイトレスさんはツボにハマったまま笑いながら遠くで見送ってくれた。

なんなんでしょう。サービス業をしている人ならそんなのよくあることかもしれないけど、9人良い人でも1人こんなお客さんがいたらその日はすべてが台無しになる。その1人にはなりたくないものだ。




石原裕次郎

このまま終わってはなんだか歯切れの悪いコラムになりそうなので、逆バージョンをひとつ。

中学生のころ、石原裕次郎がお亡くなりになりテレビの報道はその話で埋め尽くされていた。その時に見たインタビューをなぜかずっと覚えていて、こういう大人になりたいなと多感な時期に刺さった言葉。どんな人だったかをドラマの美術さんに聞いた時のこと。「石原裕次郎は年下にもどんな人にも敬語を使う。スタッフの家族の誕生日から結婚記念日までも覚えていて、毎年忘れずお小遣いをいただいた。とにかく気を配る心の広い男だった。本当に惜しい人を亡くした。」と涙ながらに話をしていた。あの時代だから知られていない諸々もあっただろうけど、石原裕次郎みたいなすべてを手にした大人が、偉そうにしないで謙虚でいられる格好良さ。チヤホヤされて当たり前のスーパースターが、決して蔑んだりせず勘違いすることもない。死んだときに言われる言葉って、生前どう生きてきたかを物語る。

死んで惜しまれる生き方をしたいものだ。




「まとめ。」

日常茶飯事、似たようなことは日本に限らず世界中で繰り広げられてる嫌なあるある話。

自分を大きく見せたいのか、気に食わないだけなのか、それとも機嫌が悪い時にスイッチが入ってしまうのか。理由はいろいろあるだろうけど、生み出されるものはただただ不快で気分のいいものじゃない。どんな状況でもできることなら避けて通りたい。結局は、相手がどうあれ自分がどう対処してどう行動するか。そこが人としての懐の広さに繋がるような気がする。サラッと笑い飛ばすのか、グッと堪えて心に留めるのか。

GOBになるための道のりはまだまだ長いようだ。






 

 

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第十九話 『調子に乗ってしまった。』

 

いきなりだが、ボクは年始より年末が大好きだ。
ちょっとはしゃいだ感じと静まり返った混沌とした空気感がたまらない。今回は、28日に仕事を終えて年明けまでの3日間に起こった出来事を綴ってみる。

以前のコラムにも書いたように、調子に乗ると必ずしっぺ返しがくる実例付き。一読あれ。




年末の恒例。

昨年の仕事終わり、コロナ感染対策も一時的に解除されているので事務所にいたスタッフを誘って食事会を敢行する。料理を分けたりするのを極力避ける意向もあって、奮発して焼肉のコース料理のある店へ。いろんな部位を一枚づつ各々が自分好みに焼いて食べる。同じ牛なのに味も食感もまったく違う、ちょっと楽しい焼肉タイム。久しぶりにお酒も入ったこともあって気分は上々。食事も終わり終電組はここで解散。その後、事務所近くに住むスタッフと夜中に映画を観に行くという毎年恒例の年末行事。昨年はアニメ好きとしての選択は一択『呪術廻戦0』しかない。始まったばかりなのに空いている映画館で観れるなんて、想像しただけでテンションが上がる。

カップルばかりが目立つ夜中の映画館。アニメということもあって、ひとりできている客もちらほら。こちらはおじさんふたりでスクリーンと向き合う。ネタバレするのを避けるため内容は割愛するが、映像からストーリーまでなんて完成度の高いことでしょう。さすがのMAPPA。(←制作会社)

アニメ『呪術廻戦』観ていない人がいたら、是非ともオススメしたい。




見つけた。

晦日の夕飯の食材を買い出しにイオンへ足を運ぶ。
たまにしかいかないから、ウインドウショッピングも兼ねて一番上の階から順に見てまわる。家電を見たりソファに座ってみたり、余計なものまで買ってしまいそうになるほど楽しい。そんな最中、ある余計なものを見つけてしまったのだ。

以前から運動不足であることを気にして病まないボクは、ジムに行くまで仰々しくなく、ウォーキングよりもっと気楽に身体を動かせる方法はないかずっと模索していた。そこで目に入ってきたのが<縄跳び>。公式の縄跳びでしかもアシックス製。完全に買いたいモード突入。子供用からジュニア、大人用まで品揃えは豊富で色は紺と赤の2色。どうせ選ぶなら、元気の出る赤で決定。

1000円もしないニューアイテムに心は躍る。これで運動不足も解消。。。のはずだった。




お決まりのコース。

イオンの帰り道、副主催の家に届けモノをする約束をしていた。
家について連絡をしたら『ちょっと待ってて!』という返答に、このタイミングで<縄跳び>の箱をオープン。車のまったく通らない住宅街の広い路地で、数十年ぶりの<縄跳び>。長さを調整していざ跳んでみる。あれあれ、なかなか続かない。アタマと身体の矛盾が起こる。学生時代、器械体操や水泳、ボクシングなどもやっていたボクは、身体を動かすことにはちょっと自信があった。どれだけ自分を甘やかしてきたことかを<縄跳び>に痛感させられる。

ただこんなことでは引き下がれない。昔を思い出し必死に跳ぶ、跳ぶ、跳ぶ。副主催の家族も現れ一緒に跳ぶ。ちょっと慣れてきたので、調子に乗って走りながら<縄跳び>を跳ぶ。。。あれ、ふくらはぎに異変が起こる。

周りが呆れるぐらいお決まりの軽い肉離れ。健康になるためのトレーニングすらできない身体。トレーニングするためのトレーニングから始めなければならないということか。いつになったら健康になれるのか、不安しか残らない。

この日から毎日湿布生活。治ったら今度は慎重に、<縄跳び>で健康になるための作戦を再開しようと企んでいる。




「まとめ。」

運動会で転ぶ。草野球でアキレス腱を切る。ホントよく聞くあるある話。
まさか自分がそのひとりになるなんて思ってもみなかった。副主催の家族に久しぶりに会ったこともありうれしかったのだろう。そこでボクも調子に乗ってしまった代償が軽い肉離れ。さんざん学んできたことなのに、いまだ学習できないポンコツな大人。情けない。
こうやって、歳を重ねている自分を知っていくのだろう。ここからどうやって楽しくあがいていくか。これはGOBの根幹であり、これからの課題に発見できた出来事であったとポジティブに捉えてシメたいと思う。


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第十八話 『今晩の献立』


今晩の献立は決まっている。
まだ作ってはいないが、数日前のいま書いてるこの瞬間にメニュー確定。きっかけは、うちの副主宰とのたわいない会話から巡り巡って辿り着いた。

さて美味しくできあがっているのか、ボクも楽しみでしかたがない。初めて作る料理だから、未来の自分に頑張ってもらうしかない。

まずは、ここまでのどうしようもない過程をお伝えしよう。




シャオンカイ。

取材に持っていくおみやげを買いに歩いていると、副主催からなつかしワード飛び出した。ボクは話を聞けないほど過去に吹っ飛ばされ、会話を遮って話を膨らませてしまう。兄姉がいたこともあり幼少の頃に母からよく耳にしていた意味の分からない単語、それが『シャオンカイ』だった。漢字で書くと『謝恩会』。いまでもどういった会なのかはっきりと説明できなそうだけど、きっと謝恩っていうぐらいだから恩師に感謝する会ってところかな。あってる?

最初は、シャボン玉にも似たようなカタカナ表記のおしゃれなパーティーみたいなものだとずっと思っていた。コトあるごとに耳にするこの響きは、幼かったボクには新しく覚えたひとつの言葉程度だったのだろうと予想できる。『シャオン、シャオン、シャオン・・・』まるでおまじない。




のちにわかる。

そんな『シャオン』もあり、そんな言葉がほかになかったかアタマの中を徘徊する。

 

外出しているといつも気になっていたのが『月極』。だいたいあとに”駐車場”っていうのがついてワンセットだけど、『つきごく』っていう会社ってどこにでもあるんだなーて思ってた。これは結構大人になってから読み方含めやっと理解した気がする。

 

テレビから聞こえてくるものなら『ハロー』警報が代表選手。だったら『ノーム』もなかなかの有力候補。台風の家族だと思っていた『台風一過』も合わさると、すべて天気関係の専門用語。漢字の読めない子どもからしたらわからないってばさ。

 

よく家電にかかってきていたトッパン印刷の〇〇さん。電話に出るのが大好きだったボクは喜んで伝言を預かった。漢字にしたら『凸版』になるなんて、大人になってから驚いた言葉。そうそう『汚職事件』なんていうのも、それこそちゃんと意味を知ったのなんて中学生がいいところ。『お食事券』だったらいくらでも貰うのに。

 

こんなのがグルグル回り、ひとつの言葉にたどり着く。これが今日の献立だ。




すいとん

すいとん』。漢字で書くと『水団』らしい。
97歳まで大往生した祖母が、小さいころからずっと作ってくれたのがこの『すいとん』。一緒に住んでたこともあり、祖母が何かを作るときはいつもお手伝いばかりしていた。胡麻和えの時はすり鉢を抱える係だし、野菜を切ったり洗ったり、包丁の使い方も知らぬ間に覚えていた。

中でも『すいとん』が大好きで、もちもちした団子の食感がたまらない。ウチのは味噌ベースに、ゴボウや人参、大根などの根菜、きのこやタマネギ、豚肉など具材たっぷり。そこにカボチャが入るので、甘味と濃厚さが加わり今でいう食べるスープの豪華版ってとこか。お雑煮みたいに地域によって味のベースや具材などそれぞれ違う『すいとん』。そもそもは戦時中の食べ物だったとよく祖母が話してくれた。

焼肉、とんかつ、すき焼き、フレンチ、etc.
どんな豪華な料理より、今週末は『すいとん』に勝るものはない。




「まとめ。」

よく聞くけど意味のわからない言葉って、大人になってもそこそこあるのではないだろうか。最近流行りのカタカナビジネス用語なんてひっくるめたら、笑っちゃうほどたくさん出てくる。
イノベーションオルタナティブダイバーシティ・サスティナブル。。。この前テレビで『家でのタスクはしっかりできてますから!』みたいなことを旦那さんが言っている取材番組を見た。ひとりで失笑してしまった。ここまでくると仕事人間の鏡!奥さんがんばって~!!

今回は、話があちこち飛びすぎて「まとめ。」なのにまとまらない。無理してもさらに沼にハマりそうだから、今回はこのへんでおひらきとさせていただきやす。

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第十七話『お菓子と駄菓子』

 

昭和50年男という雑誌を知っているだろうか。
隔月発売の雑誌で、毎号ひとつの特集を深掘りしていくカルチャー誌。今月のタイトル<オレたちに元気をくれたお菓子>を読んでいろいろと考えさせたれた。昭和40年代生まれのボクだが、雑誌を通じて懐かしさもさることながら、いまの子供たちはどうお菓子と接しているのだろうと疑問符がアタマに浮かぶ。

今回は『お菓子と駄菓子』について綴ってみることにする。かなり飛躍するのでついてきてくだされ。

 

 

両者の違いは?
『お菓子と駄菓子』何がどう違うのか。
調べたところによると『お菓子』は全体を指す言葉。まあ総称ということだろう。対して『駄菓子』は、主に子供向けに製造販売された安価な菓子のことだとか。つまりは、母親がスーパとかで買って家に置いてあるのが『お菓子』で、子供同士が駄菓子屋さんで食べてたのが『駄菓子』と勝手に理解したことにする。

幼少の頃のボクにとっての『お菓子』は、高級だし量が多いからなかなか自分で買うことはなかった。『駄菓子』ですら一個50円のを買うんだったら、10~20円のものをいくつか買っていろんな味を食べたかった。

さすがにいまは、量より質になってきた今宵48歳。




なつかし菓子。
『昭和50年男』雑誌を見て思い出したなつかしいお菓子を、掲載されているもの中心に抜粋してみた。『お菓子』も『駄菓子』もごちゃ混ぜに、定番モノはあえて控えめに。

 

<チョコレート>

セコイヤチョコレートフルタ製菓
ウエハースに木目調のチョコがコーティングされた半円柱のやつ。いちご味もあるといったらわかるかな?

● ドーナッチョ(森永製菓)
とんねるずがCMしていたドーナッツ型チョコフレーク。予算300円もあったので遠足に持っていた。

● ツインクル(明治製菓
中にコロコロ、ラムネやコンペイ糖が入ったたまご型のチョコ。

霧の浮舟(ロッテ)
なんてシブいネーミング。エアーチョコの走りでとろける食感にハマった。

● チョコケーキ(ユーラク
円盤型のチョコケーキ。昔は駄菓子屋でダンボールの箱にそのまま入っていた気がするのだが。。。パサパサ感がたまらない。

 

<スナック>

● 鈴木くん/佐藤くん(エスビー食品
全国の小学生に衝撃を与えたネーミング勝ちのスナック菓子。田中くん、山本さんも忘れずに!

● ラーメン屋さん/焼きそば屋さん 太郎シリーズ(やおきん)
圧倒的な安価、当時10円は小学生の味方。味が濃くて硬めの麺が旨い。

● SPIN スピン(森永製菓)
タイヤのホイルみたいな形のスナック。

 

<キャンディ・キャラメル・ラムネ>

● ジュエルリング(ロッテ)
指輪型キャンディは、誰もがおしゃまさんに大変身。

● コーラアップ(明治製菓
ある意味グミの走り。瓶のカタチをしたケースから外すのがまた楽しい。

さくらんぼの詩/野いちごの小道/クリームソーダUHA味覚糖
さくらんぼにヨーグルト。いちごの酸味。シュワッとした発泡キャンディ。ファンシーなイラストが印象的。

● ペロジュー(春日井製菓
キャンディに、袋の中の粉をつけながら繰り返し舐めるアレ!覚えてるかな~

● ソフトエクレア(不二家
中にクリームが入った当時では珍しいソフトキャンディ。もう食感!

 

<ガム>

● バブリシャス(モンデリーズ・ジャパン
圧倒的に風船が膨らむガム。初めてのアメリカンな味。

● クイッククエンチ(ロッテ)
スポーツ選手のシルエットに、グリーンとイエローパッケージが爽やかさを演出。<COFFEEガム><JUICY&FRESHガム>もいいよね!

● イブ(ロッテ)
ゴールドと赤のパッケージが高級感を感じさせる、花の香りのするガム。大好きだった。

● ポケガム(リリー)
駄菓子屋にしかない、あの四角い箱に入ったボタンを押すと出てくる当たり付きのやつ。

 

<クッキー・ビスケット>

● クリームコロン(江崎グリコ
その名の通りコロン(円柱)のワッフルの中にクリームが入った可愛いやつ!当時のパッケージを見せたかった。。。

オールレーズン東ハト
いまだスーパーで見つけると買ってしまう。これのおかげでレーズンが好きになった

● マザービスケット(ロッテ)
牛乳と一緒に食べると究極の旨さ。神!

 

謝罪)

本当はすべて関連リンクを貼っていたのだが、不具合で表示されなくすべて外したので、どんなのか見せれなくてごめんなさい。。。




どうなってんの?
幼少の頃は、学校が終わったらランドセルを置いて駄菓子屋に集合というのが毎日のルーティーンだった。友達7~8人とまずは駄菓子で腹ごしらえ。ちょっと贅沢するときは、もんじゃを焼ける駄菓子屋に足を運ぶ。その後は公園で、野球やサッカー、ドロケーなどしてひと通り遊ぶ。日も暮れかかると、小学生ながらの悩みとかをお互い話しながら家路に着く。よく考えたら、社会人になっても似たようなことしているのが笑える。だって駄菓子が酒に代わっただけでなんら変わらない行動。大人になってもそんなものなのかもしれない。


さて、いまの子たちのコミュニケーションってどうなっているのだろうか。
そんなあちこち駄菓子屋があるとは思えないし、公園だってボール遊び禁止がほとんど。ゲームで通信しているからといって一緒にいながら騒いでいるわけでもないし、LINEであれこれやったとしても強い仲間意識って芽生えるものなのか。習い事やら受験やらで忙しいスーパー小学生なんかになると、きっと分刻みのスケジュールなのだろう。学校だけでそこまで深くなるものなのだろうか。

もしくは、そこまでの親密な関係って必要とされてないのか。仲良くなればなるだけ楽しいことも増えるけど、喧嘩も増えるのが一般的。そうやって人との関係づくりに慣れていく第一歩が小学生の学生生活だったと後になって思うこと。

いまの子たちの遊び場ってどこなのさー、誰か教えて!

 




「まとめ。」
昔がイイとか今がダメだとか、そういうつもりは全くない。むしろ、おもしろくなってきたなと感心しているぐらいだ。


時代時代に合った環境が作り出すコミュニケーションっていうものがある。マッチングアプリとかで、お互いが求めれば出会えてしまうとても便利な世の中。だからこそ難しかったり、気をつけることがあったり、上手な人との繋がり方みたいな新しい距離感の人間関係が生まれているのだろう。

ヒトが苦手なボクは単純に羨ましいと思ってしまう。それぐらいの気持ちでいられたらどんなに楽だったことだろう。

ボクら世代の悪いところや面倒なところを感じ取って、次世代が新しい価値観を作っていく。いつの時代もそうやって進化を繰り返してきたのだから、いまの変化はとても喜ばしいことだと純粋に思う。本当に大事なコトって普遍だって信じているから心配などしていない。ただ海外に感化されず、日本独自の進化を遂げてくれたらいいなと願ってる。

駄菓子を通じて、こんなところまで来てしまった。
道草しすぎー

 

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第十六話『密かな贅沢』


寒さも最高潮に厳しくなってきた。

実際、書こうかどうしようか迷ってはいたものの季節感を無視する出来事があったので、一緒に寒くなっていただこうというのが今回のコラム。

ご注意を。


勘違い。

仕事を終えた時刻は朝の7時半、すっかり冷え込む朝の時間に家路に向かう。
暖かい事務所から駐車場まで小走りに、冷たいハンドルを握り車を走らせる。信号嫌いなボクは、大通りを避け住宅街の裏道を突き進む。通勤通学の人が駅に向かう時間帯だけに人通りはいつもより多くみられる。

自転車は車道を走るのがルール。ただ場合により歩道を走ってもいいという曖昧な交通法が両者を戸惑いに導く。そこで1台、車道を走る自転車が目についた。普段の生活においてなんら珍しいことでもない。ただ後ろから見る限り、子供を乗せる背もたれのあるママチャリを片手運転士している男性。子供を乗せながら携帯で喋っていて、しかもふらふら蛇行もしてるし困ったものだと思いながら横をすり抜けようとしたら、すべてボクの勘違いであったことが証明される。

まず子供は乗ってはいなかったし、片手運転はしていたものの携帯で話などしていなかった。後ろからだったし厚いコートを着ていたのでよく見えなかったが、その人の片手には間違いなく<ガリガリ君>が握られていたのだった。

まさかこの寒い冬の朝に、<ガリガリ君>を食べながら自転車に乗っている人がいるなんて。。。思わず見返してしまったほどだ。彼はただただ<ガリガリ君>を食べていただけなのに、勝手に悪いほうに考えてしまって申し訳ない。

「暑い日に熱いものを飲むと涼しくなる」と昔から言われてきたことを真逆に実践されていただけであった。ボクは冷たいハンドルを、彼は冷たい<ガリガリ君>を。大して変わりはないのかもしれない。




カランコロン。

長い枕はこれぐらいにして、やっと本題に。
ボクには『密かな贅沢』がある。安いところで100円程度、高くても200円ちょいのよく目にするなんでもないモノ。それはコンビニで売っている『ロックアイス』。ただの氷だし、家で作ればタダみたいなモノにお金をかけるなんてもったいないというのは百も承知。そんなヤツは金持ちになれないとヒロユキ氏に一蹴されそうだけど、とにかくボクはこの『ロックアイス』にいつも幸せを貰える。

まずガラスのように透き通るキレイな氷は、グラスの飲みモノをとにかく美味しそうしてくれる。それと袋から出すときの音がなんともすばらしい。カランコロンと軽い高音は、グラスの中でも美しい音色を奏でる。良質の水を使用しているから溶けてもカルキ臭くないし、家庭で作る氷では得られない美味しさを味わっていただけると後ろにも書いてある。

そんな酒飲みではないので説得力はないが、きっとウイスキーやバーボンなどロックで飲む濃いお酒なんかには欠かせないのであろう。ボクの場合はもっぱらアイスコーヒー。たまにコーラに『ロックアイス』を入れて飲むと喫茶店気分でとにかく旨い。

冷凍庫に入っているだけで満足感を満たしてくれる。視覚、聴覚、味覚すべてにおいて刺激してくれる身近なモノってそうあるものではない。どんな飲みモノもワンランクアップ、縁の下の力持ちタイプの『ロックアイス』は、決して無駄ではない『密かな贅沢』なのである。




かつて。

冷凍庫のない時代、氷はとにかく貴重品であった。
古くは平安時代清少納言の『枕草子』にも登場しかき氷を食されていたと綴られている。奈良時代には氷室があり、天皇陛下や将軍に献上されていたとのこと。冬の時期に貯蔵していた雪氷を、夏の暑い日に溶ける氷を急いで運び、小さくなってはいるものの口にできるのは一部の貴族階級の人たちだけだったぐらい特別なモノだった。

たかが氷、されど氷。昭和初期まで一般人には手の届かないモノだったなんて、当時の人がいまの時代にタイムスリップしてきたらと想像すると、なんだか当たり前のことが幸せに思えてくる。




「まとめ。」

冒頭に述べた通り、まったくタイミングのずれた氷の話。

とはいえ<ガリガリ君>おじさんを見かけたもんだから、エピソードも加えつつどうしても話したかった今回の『密かな贅沢』。

値段が高いからとか希少だからとか、そういうことから得られる贅沢もいいとは思うのだけど、なんでもないモノゴトに目を向けて自分で幸せを見つけていくことからも十分な贅沢感を得られると思う。きっと皆さんもそれぞれの『密かな贅沢』があることだろう。

常識に左右されることなく、自分に素直になれればそれで良し。<ガリガリ君>おじさんを見てみてよ。彼は絶対、自らで幸せを勝ち取れる人なはずだから。

 

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